フロートレス工法
工法概要
フロートレス工法は、専用の取付装置により「消散弁」を設置し、地震時に発生する過剰間隙水圧を瞬時に消散させ、マンホール周辺地盤の液状化現象を抑え、マンホールの浮上を抑制するものです。
マンホール浮上の仕組み
地震により、地下水を含んだ砂質地盤に強い揺れが働くことで、砂粒子と砂粒子との間隙に静水圧を超える圧力の発生を「過剰間隙水圧」と言います。この圧力により、砂粒子同士の接合が切れ、砂粒子が水の中を漂う状態を「液状化現象」と言います。この発生により、比重の軽いマンホールの浮上を生起させます。
基本概念
<過剰間隙水圧を瞬時に消散>
地震時に発生する過剰間隙水圧を「消散弁」により瞬時に消散させます。
これにより、マンホール周囲の液状化現象を抑え、マンホールの浮上を抑制します。
<消散弁>
消散弁は、受圧板・ソケット・メッシュ等で構成しています。地震時に過剰間隙水圧が加わると、受圧板が外れることで水圧を消散させます。
また、消散弁の地盤側は、メッシュ構造になっており、土砂等がマンホール内に流入するのを防止します。
作業手順
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1.消散弁取付装置をマンホール内に設置し、貫通手前まで削孔します。
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2.削孔部のコアを除去します。
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3.消散弁を削孔した孔に挿入し、手順1で残した壁が貫通するまで圧入します。
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4.削孔弁に開閉蓋を取付け、周囲をモルタルで仕上げます。
フロートレス工法のメリット
- 液状化現象による既設マンホールの浮上を、非開削により抑制します。
- スピーディーで、安全で確実な施工が可能です。
- 施工費が経済的です。
- わずかな作業スペースでの施工が可能です。
- 周辺地盤や地下埋設物、地域住民の生活、交通などへの影響が少ない工法です。